October 30, 2006

煙草に関して

ラ・フレッチャではテーブルに灰皿を置いていません。できたら吸わずに食事を楽しんでいただきたいとも思いますが、喫煙していただいても大丈夫です。灰皿はすぐに用意させていただいています。喫煙する方と嫌いな方両方に楽しんでいただけるよう店舗には工夫がしてあります。座席のゆったりとしたレイアウトはじつはそのためでもあります。店内を扇に例えるとその中心に厨房、換気扇を置き、それに対し客席は重ならないようレイアウトされています。換気扇はとても強力な、有圧と業者さんが呼ぶ、三相200vを電源とするとても安定した強いものをチョイスしてあります。うちのような小さい店ならではのやり方ですが他の喫煙できる店舗よりはいくらか気持ち良く食事ができるようになっています。

私はじつは最近30代半ばまで喫煙していました。それもとびきりのヘビースモーカーでコントロールのきかない、酒など飲んでいるとつい吸っている事さえ忘れて2本目に火を点けてしまう、身体に悪いなぁと思いつつスポーツの直後やその間の休憩にまで吸いたくなる有り様。7〜8年前に決心してやっと止める事ができました。
今は辞められて良かったなぁと胸をなでおろす心境です。

煙草を止めるのは難しい、安易に考えて始めても失敗します、失敗するとその挫折感がまた禁煙を難しくします。正直言って私は今でも吸いたい気持ちがあります、しかし脳神経的に習慣性がなくなっているので吸わずに済んでいますが、もし今自分の意思で吸ってしまったとしたらおそらく逆戻りして、次に止めるのはとても難しくなるでしょう。喫煙の依存性は根深いものです。
禁煙前後で違うことを挙げるとすれば何かを行った際に生じるちょっとした達成感が感じられるかどうか?です。喫煙している時にはそれがとても曖昧にしか感じられないものです。煙草が必要なくなってからは、それは常に意識するものではありませんが気が付くと確かに達成感やら満足感がリアルに感じられているような気がします。もう一つは逆説のようですが煙草を吸わないでいる状態のイメージ、喫煙していた時の禁煙に対するイメージは悪い冗談のようですが本当に荒涼としていて生きている意味、楽しみが失われてしまうような不安感、そんな訳はないのですが、喫煙のない状態全くそれが当たり前のことだと理解して負のイメージを払拭するには実際に煙草を止めてみるしかない。喫煙している人にはとてもそれは難しいことに感じられます。

禁煙の決断はただの現実のつまらない選択の一つでしかありません。劇的なことは何もありません。それをするには実際に我慢するしか方法はないわけです。
煙草を止められるかどうかは意識の範疇を超えたところにあります。

まず喫煙ということを理解する事が大切です。
それは薬物依存と比べると脳に作用する部分が違うという差があります。
喫煙することで刺激されるのは満足中枢です。
煙草を吸いたくなるのはどんな時か思い出してみてください。仕事、遊び、スポーツ、映画、食事、よく寝ること、生活に関することその人の行動に関すること全てに関わっています。喫煙したくなるのは決まって何かを終わらせた後ではないでしょうか?
通常、喫煙と無縁な人はそういう時満足感を感じて平和な心境でいるはずです、しかし不思議なことに喫煙する人はその平和な心境を充分に享受することができません、その時に思い起こすのは決まって煙草のことではないでしょうか?
煙草、喫煙者は喫煙することによって脳のその部分満足中枢を常に刺激していますから当たり前に行動によって得られるはずの充分な満足感を得ることができなくなってしまっています。
禁煙のテーマはその当たり前の満足感を取り戻すことでしょう。
ちょっとしたコツ手順を
煙草を辞めるには何か没頭できるちょっとした好きなことがあると助けになります、なんでもいい、好きなこと満足感を得られることちょっとした趣味、グルメおいしい食事。
こういったことを重く考えず感覚のゲームとして、少しの間我慢してみてください。そのことに神経が研ぎ澄まされてその細部に到るまで想像ができるくらいまで、
それと同時進行にやや遅れて禁煙を始めます1週間くらい、脳神経的に煙草の影響から逃れ始めた頃です。
そこで、その没頭できることを行い充分に堪能、吟味し思い切り楽しんでください。
きっとその時はそんなに煙草を吸いたくないはずです。その時が肝心です、吸いたくないのに吸わないでくださいね、その程度の力の入れようで大切な局面を乗り切ることができるはずです。それほど劇的深刻でなくそのきっかけを得るということが肝心です。禁煙を難しくしているのはそれがあたかも劇的に遂げられることであるかのようなアドバイスをする方が多いからなんじゃないかと感じています。
そこからやっとリアルな満足感のある生活が始まります。偽の満足感は必要なくなるわけです。
相当に強い意志を持った人でも煙草の誘惑は穏やかに長く続いていますからふとした瞬間に気が緩んで喫煙する方向に行動してしまったりします。煙草のない充実した生活を日々続けて確信を深くし煙草を忘れる、それしかないようです。


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October 26, 2006

パニッシャ

リゾット、イタリア料理ではリゾットもプリモピアットとしてパスタと同じタイミングで頂く料理です。その茹で加減(炊き加減ではありません)もパスタ同様にアルデンテが決まり、アルデンテのおいしさ、アルデンテの何がいいのか?当然その食感噛み応え心地よさがよく言われることですが、もう一つそれはソースや供に食べる他の食材との絡み具合、メリハリということもあるでしょう。日本のご飯はそのまま食べて後から副菜と合わせたり、副菜を乗せたり、口に入れる寸前まで別々にしておくものです。これに対してリゾット、パスタもそうですが調理の段階で合わせてある。
ご飯はそのまま食べることが前提で調理されています。それ自体に表裏のメリハリがあってそのままで成り立つものです。同じようにメリハリを考えるとリゾットではソースに対してそれが有り米自体は単一な、噛み応えに主眼をおいた加減とします。
とは言っても充分に澱粉が糊化していることが必要です。噛んでパリパリと生米の食感があるようではいけません。充分に糊化していてしかも強い噛み応えのある加減に仕上げる。これは結構技術的に難しいことのようです。ともすると作業を簡略するために予め米に加熱下ごしらえしてしまう現場もあるようです。聞いてビックリあの老舗のリストランテでもしているそう裏情報ですが。
断言しますが、イタリア料理では米も乾燥パスタと同じ茹で上げ(生米からの調理)が大前提、できないなら提供するべきではありません。厳しいようですがこれが現実です。
ラ・フレッチャでは常にこのリゾットも伝統通りアルデンテで提供させていただいています。ランチでもたまにオンリストしますのでご期待を!
今回季節のメニューではピエモンテ伝統のリゾット「パニッシャ」に挑戦しています。実際に作ってみるとその伝統の確かさ良さを実感することができます。野菜、豆類を中心とするその料理は見事に一つのテクスチャーを形成していて面白い、伝統の良さが感じられる逸品です。


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October 25, 2006

シェフの日常

零細個人事業主に休みはありません、カタカナにするとオーナーシェフとちょっとスマートな雰囲気ですが、実態は?定休日というと買出し、試飲会、セミナー、健康診断、経理、修理と本当の意味での休みはずーっと有りません。
それはきっとそれほど大きなことではないのかもしれないですけど卵1パック100円とかしめじ68円とか聞くととても買いに行かずにいられないわけです。業者さんに任せると楽なのですがその分原価が上がり料理の価格も上げざるを得ません。
こんなことが私の日常ですがこれが面白くて堪りません、なぜかというと私がシェフだからなんです、母親が24時間母親であるように、女優が24時間女優であり、24のジャックが24時間ジャックバウアーであるように、私も24時間シェフなわけです、とても面白い、とても幸せです。そんな私がよく言われるのはそんな生きがいを持てることは稀な幸せなことなんだよと、確かにその通り生きがいを持てて幸せです。しかし、これちょっと違うな〜と思います。この問いかけには当って良かったねというニュアンスがあってそれは腑に落ちません。
私の前職は営業職でした。当時は自分なりのイメージを持ってこうなりたい、これが格好いいと理想を持っていてできたらそうなりたかった、でもそれは適わず、自分には合っていないと見切りをつけたのが26才の時。ただの理想でなく自分に合ったものは何か冷静に考え選んだ結果です。しかしそこからも確信を得るまでは何年もかかりましたよ。決して簡単なことではない。偶然ではない自ら掴んだものだと自信を持って言えます。是非個性ということを大切に考えて欲しいと思います。
そんな生きがい、適した仕事を見つけるにはどうすればいい?
それを考えるにはまずクリアしなければいけない前提があります。
責任と権限ということ、突然なんだこいつと皆さん思いますよねゴメンなさい少し我慢して聞いてください。これ人が集まる場所に必ずある、必要な原則なんです。当たり前のことです、責任を負えば権限を得る、権限をもてば責任が生じる、その権限の大きさ質によってその責任の大きさ範囲は自ずと決まります。
こういったバランスの取れていない集団なり会社は必ず衰退するというぐらい当たり前の原理原則、責任を取らずに権限だけ振りかざす上司がいたら誰も真剣に仕事はできないでしょう?
責任と権限はセットなわけです、切っても切り離せない。
責任とは何か?責任を果たすということは成り立たせるということと近い意味があります。その場の責任を負うということはその場を成り立たせるということと同じ意味でもあります。
他の人の助力なしにその場その仕事を成り立たせ、好ましい結果、充分な成果を得るということが責任を負うということです。
それを行うために権限を行使するわけです。常にその二つは一対でないといけません。
人が成功ということを思い描くときにその明るい得な部分しか考えませんが、それはそれと同じ程度に重い責任が当然伴うわけです。それが現実です。
将来得たい状況、思い描く形にその現実はイメージされているでしょうか?
そのギャップが障害なんです。
もちろん様々な要素があって一概に言うことはできませんが、もし健康な身体、健全な心があるなら必ず生きがいを得ることはできる、そう断言できると思います。
女だの男だの言ってる前にまず人間だろ、少し逸れますが人間同士が相手を愛したり認めたりするにはまず自分自身が独立成り立っていることが必要で大切な前提です。まだ独立していない人格の方が愛してるよと言ってもその意味は好きだよでしかない。説得力はないですね、さぁ独立できるのかな?全てはそこから始まります。




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October 18, 2006

カルボナーラ(炭焼き職人風)

面白い話があります。
パスタ料理カルボナーラの発祥は第二次大戦後、駐留していたアメリカ軍のある人がローマのレストランにベーコンを持ち込み作らせたものと言われています。イタリアの料理人がイタリアの人のためでなくアメリカ人のため考案した料理、クリームが使われ当時食糧事情の悪かったイタリアでアメリカ駐留軍の食糧用に用意されたもの、保存性の良い薫煙された食品であるベーコンが使われています。その後も人気を博しやはりレストランで主に観光客用に供されていたようです。イタリア人の当たり前の感覚ではベーコンでなくパンチェッタ、クリームよりも卵とたっぷりのチーズの組み合わせが好まれるようです。
本当にイタリアの方はパルミジャーノのような硬質チーズの味が好きなようで実に様々な料理に使われているのを見かけます。
イタリアの人が好むカルボナーラのレシピではそのチーズとパンチェッタから流れ出したラード、香ばしく焼かれたパンチェッタの香り、とても強いインパクトのある味です。もちろんごく近年にできたものでもその土地の方達の好み、より親しんだ食材で作られたものをこの国の料理の正統とするのは当然で私もそのように了承しています。しかし生クリームを使ったものが人気を集めたのも事実です。合わせる食材がベーコンだから生クリームが使われるわけです。この組み合わせには相乗効果があります。ラ・フレッチャのお客様にもこのクリームを使ったカルボナーラのファンは多い。
私はイタリアの伝統料理にパルミジャーノなどの硬質チーズを使用したものが余りに多いとかねてから少し残念に思っています。確かにチーズはおいしいのですが日本で言えば醤油に例えられるでしょうか、ものによっては使い過ぎで食材の個性を潰してしまうことが有ります。わざと使用しなかったり量を減らしてバランスを取ることに注意しています。カルボナーラもイタリア人の好むレシピだとパルミジャーノ(ペコリーノロマーノでも両方を合わせても)はある程度の量入れないとパンチェッタとのバランスが取れず、特別な相乗効果のようなことはなくただ双方の味の強さが出て、結果組み合わせによる魅力は余り得られず、チーズのおいしさで食べる料理になってしまい勝ちです。ラ・フレッチャではクリームを使ったレシピで提供しています。私が理解するところではこのレシピではベーコンの良さを引き出すのが大切でクリームとの組み合わせで相乗効果が生まれとても魅力的です。結果パルミジャーノなどは少量閾値以下で使いベーコンのおいしさが引き立つ料理としています。
ラ・フレッチャでカルボナーラを食べていただくと、あぁいいベーコンを使っているねと褒めていただくことがありますが、ベーコンはもちろんできるだけ良いものを選んで仕入れてはいますが、それはごく一般的な値段のものでプレミアム品ではありません。下ごしらえと加減でその雰囲気は作られています。
クリーム、ベーコンを使うカルボナーラは偽者、日本のレシピじゃないかと少し誤解されているようです。その発祥に少々事情があってそのように取られてしまうのだと思いますが、ベーコン、クリームを使ったカルボナーラがまず先にあったわけです。
持ち込まれた食材でアメリカ人向けに作られたものですから伝統料理とは言い難いようですが当時イタリアでとても人気のあった料理であることは間違いないようです。自分なりに検証比較した結果このカルボナーラを当店のメニューとしています。
提供する場所が変われば選ぶべき食材も食べる人も変わります。日本ではパンチェッタよりもベーコンの方が手に入り易く競争されている分安価で良いもの仕入れることができます。あまり伝統のレシピに捉われ過ぎても良いものを見失うことになってしまいます。料理人がそれぞれ取捨選択すればいいことと思います。今度機会があったらもう一つのカルボナーラを取り上げてもいいでしょう、そのときはグアンチャーレなんかを使いクリームを使わずに思い切り個性的に仕上げたいと思い描いています。



17:52:32 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

October 16, 2006

やっと出来上がりました!

明日お店で作った堆肥第一号を大塚農園さんに発送することとなりました。8月盆休み以降本格的に堆肥作りを試みて丸2ヶ月やっと形になりました、嬉しいものです。発送の準備をしていて不思議に感じました、匂い!その堆肥は元々生ゴミで腐り易いもの炎天下の8月から常温に放置して普通なら想像もしたくない大変なことになっているはずです。チェックするために開けてみましたが臭くない!気温の高い夏場は匂いの気になることもありましたが今の時点で臭いという感じはありません。すごい!生ゴミです、しつこいようですが普通なら虫やら腐敗やらでトンデモナイことになるはずですがゴミは原型を保ったまま漬物のような匂いがあるだけで扱い易い。じつは実験的にチャレンジしていた時は何度か失敗がありました。暑い時だったのでそれは大変なことに、しっかり堆肥を作るためには難しくはないのですが幾つかノウハウがあります。もし試したい方がいたら教えますから連絡してください。

生ゴミを堆肥とする方法、これは私達にとってとても意味が有ります。
相当努力しても生ゴミはある程度の量出てしまうものです。野菜の皮、芯、皿に付いたソース、ラ・フレッチャでは魚の骨、肉の筋などは出汁を取り無駄にはしませんが、そのようにしても最後にはその出し殻がゴミになります。
うちぐらいの規模で堆肥にできるゴミが1日だいたい1キロから2キロ出ます。月間50キロ。大塚さんに言わせると野菜に使う肥料用でも人間にとってバランスが取れているようなものの方がより良いそうです。レストランのゴミは正にその通り色々な栄養素が含まれた堆肥に適したものです。

堆肥作りを決断しました。
毎日の地道な作業です、営業終了後一日分の生ゴミをステンレスのバットに移し専用のこれもステンレスのスケッパーで粗く刻みます、そこにボカシを撒きよく混ぜてコンポスト容器へ移します。その際貯まった排水も抜いておきます。
ボカシとは生ゴミをEM(有用微生物郡)発酵させるための資材の一種です。大塚さんから預かってきたボカシはホームセンターの物に比べて甘い香りがします。非常に発酵力が強そうです。
コンポスト(堆肥)にはいわゆる腐敗臭はありません、その代わり発酵臭、糠漬けの匂いというのが正確な表現でしょう、温かいところに腐り易いものを出しているのに腐敗でなく発酵しているというのがやはりすごい、この腐敗菌に勝るものが土中に広がり土壌の質を上げる、作業の中で実感することができます。

ラ・フレッチャではここ3ヶ月ほど生ゴミを出していません。結果可燃ごみは1週間に一度だせば済むようになり、事業系ゴミ処理の料金が浮いた分で発酵資材の料金、出来上がった堆肥の送料をまかなうことができます。
素朴に考えると不思議なことです。2百キロも離れた場所にものを送る料金と無価値なゴミを処理するために負担する料金がつり合っておつりが来てしまうわけです。ゴミ問題が如何に深刻で社会の構造を歪めてしまっているかを垣間見ることができます。
実質負担なく確実に社会に貢献できることですから、飲食業をする人には是非考えてほしい、一般消費者の方には耳新しいことかもしれませんが日本には食品リサイクル法という法律があります。ただこの法律は規模の大きな企業だけが対象で規模の小さな店舗には適用されません。しかしこれは必要に迫られてできたことで法律の枠にとらわれず考え実行していきたいものです。ただそれもモラルの問題があって現実には難しいことです。水道が海に通じていると誰もが知っています。それにも拘わらずたいていの飲食業の現場では皿に付いた油を落とすという意識さえない、残念ですがとてもレベルが低い、現場の方が気付いて始めるのが理想的、早くこの業界でも文化、伝統が機能を取り戻して将来の希望が持てるよう願って止みません。




01:40:44 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks