March 23, 2008

5年目を迎えます


私達が住む世界には二つの社会が境界なく混在しています。一つは長く積み重ねられてきた伝統が生きている、システムとしての伝統が人を助ける社会、人同士が心地よく共存できる仕組み。まともな努力が成果を上げ、実を生む、長く成り立たせることが目的であって、中身のないもの、虚飾は淘汰される。
もう一つは一方が他方を統べることを前提とした、競争原理ありきの社会、ここでは努力と成果の受け手は必ずしも一致しません。
勝つことだけが目的で中身は重要ではない、高く売るために見せかけが優先される。見かけはいいかもしれません、しかし長続きはしません。資材は浪費され、その場しのぎの方策はやがて崩壊し、寄生虫は次の宿主を探す。
この両者を明瞭に分けることは、相当に難しいことです。切り口だけでは判断は不可能かもしれません。
日本の社会ではこの二つの価値観が入り混じり、あらゆる場面でせめぎ合っているかのように、難しい様相を呈しています。ここを分かっていないと、何を見てもすっきりとは理解できません。

今や人の生活にどっぷりと関わって大きく影響を及ぼすまでに至った、経済の市場至上主義、金融資本、それを支える政府行政の施策、ご存知でしょうか?
日本は近年にその主義思想を変えてしまったことを
私達の生活には実は大きな変化が起きました。企業や一部の権力者には益々利益が集中して、それ以外の人はどんどん落とされていきます。貧困な層は必然的に生活が困難になり、餓死者をだすほどに。
人々には恐怖が与えられる、死にたくなければ競争に参加せよと。現職の財務省大臣が「所得を増やしたければ株を買え」と言う異常な世界
税務も庶民のためではありません、負担が可能かどうかは二の次に、いかに確実に取るかが優先事項とされる、民主主義とはいったい?

今確実に顕在化する経済偏重の世界なのか、伝統文化の再構築なのか
さてさて、こういう切り口で見ると私達がしている仕事は実に大きな意味を持つことになります。「文化」です。
戦うんです、思想主張を高らかに、侵食する経済偏重、新自由主義的なシステムから人を守る、本来人が心地よく生きていけるはずの広い意味での「地域」を再構築する。正義の味方かどうか定かではありませんが、かける意味のある主張ではないでしょうか?文化、人を助ける「地域」の再構築。

じつは私は8年勤めた店を追い出されました、と言うと大変なことのようですが、いえ確かに大変なことです、勤めていた店はシェフが変わるわけですし、自分は新たにレストランを一から構築しなければいけません。詳しくは差し障りもありますし書きませんが、掻い摘んで言うと、それまで努力して業績を着実に伸ばし続け、それなりに良い店を完成させつつあったところ、新しく提携の話が出て、実現し資金が潤沢になったその途端、手のひらを返すように邪魔にされ、挙句に厄介払いされてしまった。
現実には厄介払いではなかったのですが・・・

私が信じる世界では幸運は常に努力する者について来ます。
袂を分かち4年の時が過ぎ、私は幸運にも着実に業績を伸ばし、素晴しい仲間達と嬉しい開店の記念を祝います。
伝え聞いたことですが、私を追い出した当人は去年会社を退職されたそうです。
背景は大変資本の大きな会社ですから、退職されるということは、その方の仕事は成功しなかったということです。
私が8年間育てた店は事実上の解散、しっかりした後ろ盾がありますから、営業は続けられているようですが、残念です。後ろ盾になっていただいた方には大変申し訳なく思います。しかし当時私には手立てはありませんでした、なにしろ相手は先に挙げた競争ありきの世界を得意とする、騙すのが本業、本物らしく見えます。競争が全て、見かけありきでその場しのぎ、私と組んでいて、業績もそこそこだったので腕のいい経営者に見えたかもしれません。しかし実態は?皆さん聞きたくはないでしょうから書きません(笑

ラフレッチャもお陰様で無事4周年を迎えることになります。
最近何とかガイドみたいなレストランガイドにも投稿されるようになってきました。
有難い限りです、しかしなぜか酷評ばかり、参考になるご意見もあるのですが・・・
その方達の言う通りなら、今お店はありません。
何せぎりぎりの資金しかありませんから(笑、、
47ヶ月赤字はありません、本人が驚いています、個人事業ですから自分の人件費をどの程度に設定するかによっても数字は違ってきますが、予想を下回ることはありませんでした。
でもまあ意見は意見として伺います、うちのような店は地元に住んでいる、働いている方が対象で、地域あっての営業ですから、たとえば何とかガイドで突然紹介されていきなりドカドカと来店されても、対応は出来かねますので、逆に好都合かもしれません。
酷評されても経済的にさしたる影響はありません。 
ただ問題なのは私達の気持ちです。料理を作るときにイメージするのはお客さんの満足であったり、お客さんの幸せを願いつつ、物に集中するわけです。
その対象がもし理不尽に低い評価をする人だったら?なんてことが頭をよぎると、集中を維持することが難しくなります。
とても残念なことです、お客さんの幸せを願うという、唯一の正当な拠り所を失うことになり兼ねません。
う〜んどうでしょう?何をされたいのか?
どうか何か目的があってされていることならよくお考えください。
何を求めていらっしゃるのでしょう?それはおそらく望む結果は出ないと思います。

さておき、近頃満席でご迷惑をかけることが多くなってきました。是非ご予約を!
折角お腹を空かして来て頂いて、お帰しするのが忍びありません。
暇だったときを思うと、とても残念なことです。
堅調に営業できています。5年目のラフレッチャにご期待ください!



02:01:47 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

March 15, 2008

クラテッロのカルボナーラ!!

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やってしまいました。
イタリアの人が聞いたら「そんなもったいなことするなよ」と言われるかもしれません。
クラテッロは未だに昔ながらの製法でのみ作られる、稀少な、地元の人にとっても、とても高級な食材です。
地元で食べても、数十グラムしか乗っていない一皿が10ユーロ程度。
高いですよね〜

エミリアロマーニャ州、ピアチェンツァからもパルマからも40〜50キロくらいの距離でポー河の辺、高速の支線がすぐ近くを通るのでそれほど不便な場所ではありません。

その土地の稀な気象条件が不可欠な要素になっています。
ポー河から立ち上る湿気がクラテッロの熟成に最も必要なものです。
ジベッロ村であっても湿度が足りなくなる時期があって、そういう時には床にワインを撒いて調整をするそうです。適した土地がそう多くあるわけではありません。
高湿度の自然な環境での繊細な発酵があの風味を醸し出します。
1年間の内でも10月から2月にかけての冷涼な湿度の高い時期にしか、仕込むことができない、さらには熟成期間を最低でも10ヶ月必要とすること、2年の熟成にかけられるものもあるそうです。様々な条件をクリアして完成されるのは7割だけだそうです。もったいない、高いわけです。

さぁラフレッチャのスペシャリテ「クラテッロのカルボナーラ 黒トリュフ添え」
カルボナーラとしてのアレンジは敢えて現在のイタリアのものではなく、発祥の頃のもの、戦後駐留していたアメリカ軍の軍人向けにイタリア人の料理人が思いついたバージョンです。
相性のいいものを4種類も合わせます、クラテッロ、クリーム、卵、トリュフ。
温めたときのクラテッロの印象はゴルゴンゾーラにとてもよく似ています。
どちらもたんぱく質で湿度の高い場所で長い期間熟成されるもの、似ている訳です。
ゴルゴンゾーラはクリームと相性がいい、クリームが補いゴルゴンゾーラが活かされる組み合わせです。ではクラテッロにも合わせてみましょう、
そこに、卵、卵黄が味わいに厚みを与えます。となるとトリュフを加えるしかないでしょう。4種類の素材のハーモニー
Buon Appetito!! 召し上がれ!!



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