June 05, 2008

狂牛病は終わっていませんよ

東京新聞の記事です。
>韓国やまぬ『牛肉』抗議デモ 急落の李政権迷走
>2008年6月4日 朝刊
> 【ソウル=築山英司】韓国で米国産牛肉の輸入制限撤廃措置への抗議デモ
>が収まらない。韓国政府は三日に輸出中断を求める異例の再協議を米側に要
>請、支持率が急落した李明博(イミョンバク)政権の求心力回復を狙うが、
>担当閣僚の更迭を含め、内閣改造に追い込まれる可能性もある。
> 「国民が望まない三十カ月以上の牛肉を入れないのは当然だ」
> 韓国青瓦台(大統領府)報道官は三日の定例会見で、李大統領の発言を紹
>介し、国民に理解を求めた。報道官は米側には再協議要請を事前に伝えてい
>なかったと説明。「米政府も理解し努力してくれるだろう」と期待感をにじ
>ませた。
思うんですが東京新聞は独立性が高いんじゃないでしょうか?
応援したい新聞です。

まさに
日本人が知るべき問題の核心はここです。
韓国の国民は声を上げ主張します、政府はそれに応え、取るべき対応を模索する。
健全ですよね。
日本はどうだったでしょう、小泉首相は「後は自己責任、疑うなら、食べなければいい」と輸入再開を決めてしまいました。
狂牛病のことを知っている人は、こう思ったはずです。
食べないためにはその産地が分からなければいけない訳です。取りようのない自己責任をことさらに強調して言うのは、悪い行いとわかっている、確信犯です。
自己責任というのは、流行っていたキーワードです、民営化とか改革という言葉と同じで一見正しいことのように聞こえます。
当時も、今も、まだ狂牛病は未知の病気で、日本では加工食品や外食では産地の表示義務はありません、輸入すればそういう知識を持たない人は、自然に食べてしまうでしょう。

さて同じ様な状況にあった日本の国民の反応は?
いつも通りです、マスコミではその前後のニュース番組も薄ら寒い、荒涼とした砂漠のような、無反応、関心はないようです。
抗議も起きません、ブログにはいくつか悲痛な叫びがありました。
しかし何も事態を動かすような大きな動きはなく・・・
日本人はいつからこうなってしまったんでしょう?
誰も怒らない、誰も参加していない、リスクを負っても変えるべく努力する、参加するということをしなくなってしまいました。
世論というものは存在しなくなってしまいました。
ねじれ国会と最近マスコミでよく揶揄されますがその意味するところに、参議院が歪んでいて邪魔な存在、実際に参議院の廃止が取り沙汰されるほどで、馬鹿げています、ねじれ歪んでいるのは国民の意思を無視し続ける衆議院の方ではないでしょうか?
そもそも先の参議院選挙で野党が大勝したのは、国民の郵政選挙への悔いからで、小泉さんを選んでしまったのが大間違い、とんでもない暴走を続ける与党に待ったと手を上げたのが、今の参院の逆転なのではないですか?
世論はなくなってしまいました。
残念なことに、じつはそれが現状を動かし得る唯一の勢力なんです、衆院の解散権は独占的な首相の権限です。日本の制度では首相は独裁者になれるんです、危うい、日本の民主主義制度の欠陥です、善意が前提とされてしまっています。
まさか首相が一部の権益を優先して国民の声を無視することはない
首相にまでなる人がそんな愚かなことをするはずがない、そういう考え方に基づいて作られた制度です。
首相は愚かでした。支持率が下がっても気にしない、わが道を行くそうです、任期中に一つでも自らが必要と思う法案を通したい、吹っ切れたとおっしゃったそうです?
バカ?
政治家ってなんでしたっけ?
そういう政治家に思い知らせるのが
抗議の声であったり、デモ、良い方法ではないかもしれませんが、相手も決して良いものではありません。
目的は手段を正当化するか?
する場合としない場合があります。
対する相手との力関係が基準です、権力者は元々そういう存在なんです。
公けにあって、声を上げるだけでそれが注目される、だから自らは批判を受け入れる義務を負う、アメリカの司法制度では常識です。
さて、
そう都合よく変わるものではありませんからね、でも投票には行きましょうね。



00:39:22 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

April 24, 2008

アメリカ産牛肉の話


驚きました!いえいえ特定危険部位の混入の話ではなくて。
今でもアメリカ産の牛肉を扱っているスーパーがあったなんて、私は小売からはすっかり淘汰されたものだと思っていました。

読売新聞の記事です。
>米国から輸入された牛肉にBSE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい
>特定危険部位が含まれていた問題で、厚生労働省は24日、輸入検査を強化
>することを明らかにした。
>同省は昨年12月から、2006年7月の輸入再開後に1000トン以上の
>輸入実績がある工場の牛肉について、申請輸入量の1〜2%の割合で、特定
>危険部位の有無などをサンプル検査してきたが、今回の混入を受け、検査対
>象を1割程度に引き上げる。輸入業者の自主検査の徹底を促す狙いもある。
>23日付で全国の検疫所に通知した。
小姑みたくウルサイことを言って申し訳ないのですが、この記事間違いがあります。病原体が蓄積し易い特定危険部位とありますが、それは異常プリオンと言うべきで、BSE等スポンジ状脳症の病原体はまだこれと特定されたわけではありません。
未だに未知の病気なんです。他に有力な研究がされていないからプルシナーの異常プリオン病原体説が仮に採用されているだけで、コントロールされているかのように表現されていますが、そんな状況ではありません。
狂牛病、スポンジ状脳症の特徴は、非常に感染しにくく、いったん感染すると確実に死に至るということです。
感染のメカニズムの解明が待たれます。特に弧発性スポンジ状脳症との因果関係が興味深い、弧発性は遺伝性のもので感染して起きるわけではないとされていますが、怪しいものです。
清浄国、オーストラリアやニュージーランドの家畜にはこの弧発性のスポンジ状脳症も起きていない、なぜなんでしょう、遺伝性だから理屈では発生するんじゃないんですか?
それが遺伝性ではなくて、遺伝的に感染し易いから感染したのならどうでしょう?
人間の弧発性ヤコブ病も実は遺伝的に感染し易い人が発症した、普通のスポンジ状脳症なんじゃないですか?
食べなければ発症しなかったのかもしれません、何を?安全なはずの牛肉をです。
現在その病原体を含んでいる可能性が最も高いのは、やはり、アメリカ産の牛肉です。食べない方がいいですよ、万が一あなたが感染し易い遺伝を持っていたとしたら?それは誰にもわかりません。
感染率は非常に低い、だから政府、行政は真剣に動こうとしません。

イギリスであれだけ爆発的に感染牛が増えたのは、レンダリング(牛の非可食部分をまた牛に飼料として食べさせる)の加熱方法を変えたのが原因といわれています。
ロイターの記事です
>吉野家では冷凍牛肉を開封して解凍を行う際に牛肉ブロックのひとつひとつ
>について目視検査しているほか、余分な脂身やスジを除去する工程でも重ね
>てチェックしているという。さらに牛肉をスライスする工程では骨付き牛肉
>を加工する設備を使用していないことから、骨付き部位が混入した場合は処
>理不能になるため、すぐに発見できるとしている。

ロイターって報道機関ですよね〜 という、というと繰り返して吉野家さんの広報をしています。広報なのか報道なのかは、やはり示さないと、報道だとすると報道機関としての責任が生じる訳です。
危険部位が見つかったということは、実はそれほど大きな問題ではありません

いいでしょうか、吉野家さんで牛丼に加工されている牛肉は通称ハニープレートと呼ばれています。どういう由来でハニーなのか?
それは鶏糞を飼料として牛に与えているということです。鶏糞だけだと牛は食べないので蜜をかけるわけです。ハニー・・・
鶏糞、さて鶏は何を食べてるんでしょうか?肉骨粉、牛のです。
ぎぇ〜鶏を介してレンダリングを続けているんですよ〜恐ろしい〜
アメリカはこういう国なんです。
ちなみに人間のヤコブ病状の人が発見されても医療機関には通報の義務はないそうです。発見して対応しようという体制はできていないようです。あれだけ牛を食べている人達が・・・
公けになった場合でも弧発性であるとしてBSEからの感染を完全に否定しています。

安全って誰が言ってるんでしょう?
誰が責任を取るのか?
せめてレンダリングだけでも止めてほしいものです。商業的な価値のより高い部位を優先して生産体制を組んでいるので、大量に肉骨粉ができる訳です。
社会的な問題です。

イタリアの農場で豚を解体する様子を本で目にしましたが、そこでは豚が非常に大切にされていることが分かります。全てを無駄にしない、家族総出で伝統から育まれた様々な方法で処理していきます。本当に伝統の奥深さが羨ましい限りです。

どっちと仲良くしましょうか?


22:21:47 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

April 15, 2007

牛の話

ラ・フレッチャで使っている仔牛は、ニュージーランド産の乳飲み牛ボビーヴィールのスネ肉、とオーストラリア産のスタークヴィールのロース肉です。乳飲み牛の方はまだ牧草を食べる前の肉ですから白っぽく、オーストラリア産の方はある程度成長したもので牧草を食べていますから肉の色も赤めです。これが生産者によっては、ある程度成長したものであるにも拘わらず白っぽい場合があります。仔牛のうちに殺して食べてしまうわけですから元々可哀そうなのですが、その上肉質を白くするために狭いところに閉じ込めて代用乳のようなものを与えて育てるそうです。牧草に含まれる鉄分が肉質を赤くする栄養素なのでこれを含まないものを与えるわけですが、もういい加減体も大きくなっていますから、貧血になってしまうわけです。これが結構可哀そうなそうで、確かに仔牛肉の醍醐味は鶏肉のような淡白さで白い方がそれらしいようですが、そんな不自然な飼育の仕方で健康に育った肉と言えるのか、元々殺して食べているのは事実です、動物愛護という話になってしまうと私達まで困ってしまいますが、人間のちょっとした嗜好のために、ここまでするのはやり過ぎではないかと思います。これは使わないようにしようと微力ながら考えて選んでいます。自然に放牧して育てられた牛の方が安心ですよね。
仔牛はカナダなどからも多く輸入されていますが、やはりBSEが心配です。カナダでは野生の鹿などにもBSEが頻繁に発生していたそうです。やはり感染経路さえ未だに未解明な病気ですから牛肉も疑った方がいいと思います。そういった感染源から遠く海を隔てたオーストラリア、ニュージーランドなどの清浄国からの畜産品が安心です。清浄国はそれに近い病気さえ起きていない別世界です、弧発性と言われ遺伝が原因とされているスポンジ状脳症は人間の場合10万人に一人の頻度で発生するそうですが、清浄国の家畜にはその程度のスポンジ状脳症も起きていないそうです。
アメリカでは未だにそのような問題にはキリがないようで、ズサンな処理を行う加工業者がついこの間も問題になりました、ご承知のように日本との輸入協定に月齢20ヶ月以下で処理した牛肉に限定するという条項があり、証明書を付ける義務があります。
今回は輸入したものの中にこの証明書を付けていないものが混ざっていたそうです。その発表を受けてアメリカ農水大臣は「小さな問題」と取り合っていません。トップの方がこのように言うぐらいですから、全ての段階で半ば公然と不適切なことが行われているのは明らかでしょう。アメリカでは畜産関係のロビイストどころか政府行政の中枢に関係者が入り込んでいるという話があるほどです。数年前にワシントン州のある町でクロイツフェルトヤコブ病が、自然に発生する頻度を遥かに超える人数で特定の地域に集中して、発生していたことが明らかになったことがあります。遺族の方が不信をいだいて調べるうちに、同じ時期同じような病状で亡くなられた方が多数いるという事実を突き止め告発したものの取り合ってもらえず、僅かに地方紙が記事にしただけで、政府の公式の見解はBSE由来のクロイツフェルトヤコブ病ではないということでした。
ありえないほどの頻度、集中して発生した理由には一切触れられていません。それで済んでしまう、恐い国です。
日本の小売店ではアメリカ産牛肉は駆逐された観があります、日本の消費者やるじゃないかと私は喜んでいます。懸念されるのは、その分産地表示しなくて済む調理品や加工品に流れる可能性です、ハンバーガー、牛丼はもちろん、惣菜の肉団子、カレーのルー、日本で近年発生したBSEは代用乳に含まれた油脂が感染源であることが濃厚だそうです。可能性のあるものが一切含まれていないことが大切です。充分ご注意ください。自己責任と言うならその責任が果たせるように、情報を開示させる義務を課すべきなのに、それさえもしていない。去年の小泉首相の「疑うなら食べなければいい」という発言から私の疑いは広がっていきました。アメリカも日本も政府行政の姿勢は明らかに間違っています。
民間の方が明らかに健全で、カレーのルーも牛肉由来の成分を一切含んでいませんという表示があったり、牛丼もオーストラリア産を謳って販売しているチェーン店もあります。
韓国では一度輸入を認めたものの、世論を反映してアメリカ農務省とタフなやり取りが続けられています。なぜ日本ではそれができないのか?
ラ・フレッチャでは牛肉はオーストラリア、ニュージーランド清浄国2カ国からの輸入品に限定して使用しています。輸入業者さんも産地とパイプの太い良心的な会社です。どうぞご安心ください。






00:10:24 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

September 14, 2006

BSE



私やラ・フレッチャに関心を持ってくださる方に今特にお話ししたいのはBSEに関することです。

私なりにこの数週間調べ考えてみました。情報はWeb上の記述と本によるものです。報道機関ではこのところこの問題を取り上げているのをほとんど見ることが出来ません。新聞でいくつか短い記事を目にしただけでテレビではまるで問題は無かったかのように取り上げられなくなってしまいました。実際に自己責任で選択しなければいけないこの情報のほしいタイミングに報道がされていないというのは残念なことです。
EUはアメリカの牛肉を輸入していません、韓国でも輸入禁止の継続を決めました。しかし日本ではあとは自己責任でと輸入再開を決めてしまいました。
これはどういうことなのでしょうか、私のような料理人にとっては家族やお客さん従業員の方、一般家庭の主婦の方は子供や夫の健康を自分達の責任で考え守らなければいけないということです。健康を守ると書きましたがより正確にはそれは健康でなく命です。大袈裟ではなく、治療法、薬などは未だ開発されていない病気です、発症したら100%死に至ります。未だに感染のメカニズムも解明されていないし、異常プリオンタンパク質が原因と言われますが実はそれも実証されていません。
プリオン説でノーベル賞を受賞したプルシナーの研究成果にはなお多くの疑問点が指摘されています。
このような未知の脅威に私達は晒されています。
私達には優秀な科学者を雇うことはできませんし莫大な資金をかけた研究所を作ることもできません。
できるのは買わないこと食べないことだけです。

さてBSEとは何なのでしょう?

調べていて意外に感じたことは色々な発症例のあるそれぞれ種族差、地域差、発症の質自体の差も関わりなくそれが本質的に同じものだということです。
アメリカで狂牛病由来の変異型クロイツフェルトヤコブ病の発生が疑われ検証された際、アメリカ政府の見解それは変異型でなく孤発性のヤコブ病なので我国には未だBSE由来の変異型ヤコブ病の発生は認められないというものでした。でもその両者には本質的な差はありません。症状や発症する年齢などに若干の差はあっても孤発性のヤコブ病も伝染性を有していますし。色々な動物の伝達性スポンジ状脳症の脳をすりつぶして注射しマウスに感染させることは研究の場面で日常的に行われていることです。(弧発性のヤコブ病もこのような方法でマウスに感染させることができるそうです。)この病気にとって種の壁は低いということは明らかな事実です。
現在非常に確かなことにBSEがイギリスでアウトブレイクした最大の原因は肉骨粉を牛に与えたことです、レンダリングの方法(オイルショックの際変えられた過熱方法や石油由来の有機溶剤使用の有無)を変えなければあれほどの被害が出なかったのは確かでしょう、しかし肉骨粉が原因であることには間違いないわけです。理解に苦しむことに未だにアメリカでは肉骨粉を使用しています。鶏に肉骨粉を与えてその鶏の糞を飼料として牛に与えているそうです。
鶏の糞には相当の量の肉骨粉が未消化で残り含まれていて牛がそれを食べてしまうわけです、感染源の研究によって交差汚染ということが言われるほどこの病気の感染は多岐に可能性が考えられます。日本におけるBSEの感染は代用乳に含まれていた動物由来の油脂が原因として疑われているそうです。肉骨粉を締め出した状況でも実際に感染は発生するわけです。
アメリカではそれ以前の状況と言わざるを得ないでしょう。
このような例は論外として、現在のようにプリオン説でこの病気が解明されたかのような前提、感染しても発病していなければ安全、種の壁は越えてもたんぱく質であるが故安定的ということで方策を決めていると、それがもしプリオンでなく核酸を持つウィルスのようなものだった場合それが宿主に順応変化し新たな感染を生む可能性も捨てきれません。肉骨粉を与えていると云う事はその機会を病原体に与え続けているということではないでしょうか?
孤発性ヤコブ病は遺伝的な要因で発症すると考えられています。環境的な感染ということを経ず発症するということです。100万人に一人の割合で起きているそうです。
しかし清浄国と言われるオーストラリアニュージーランドの牛、羊にはその程度の感染さえ起きていません。果たして孤発性ヤコブ病は遺伝によるものなのでしょうか?それがもし感染原のない場所で遺伝的に発症するものだとしたら他の場所でも同じように発症するはずです。しかし清浄国の家畜にはそれが起きていません。弧発性ヤコブ病は感染によって起こるもので、遺伝的にヤコブ病に対して感受性の強い方が罹るれっきとしたBSE由来もしくは他の動物の伝達性スポンジ状脳症からのヤコブ病と考えるのがより自然なのではないでしょうか?伝達性スポンジ状脳症では異種族間での感染性が高いということが分かる前の研究において遺伝的とされていた病気なわけです。

このところのBSE研究によると中には特定危険部位という考え方そのものが否定され兼ねないものが含まれています。プリオン説はBSEで死んだ牛の特定危険部位と言われる部分に異常プリオンタンパク質が多く残されているという事実に基づいています。
感染源=異常プリオンタンパク質ということがプリオン説の骨子です。
牛がBSEに感染し死んだ段階で異常プリオンタンパク質が多く残されている部分
これだけが危険でこれさえ取り除けばあとの部位は安全という考え方
しかしその前段階があることが確認されています。
それはマウスによる実験で、伝達性スポンジ状脳症発症の過程に関する研究です、感染力の高さの推移と異常プリオンタンパク質の量の推移には対象としたいくつかの臓器によって少なからずズレが生じるということです。具体的には感染の過程の臨床的な事実を追うとまずリンパ系の臓器に症状が現れ神経系に及び最終的に脳に到達しているという感染の過程で。
つまり最終的に死に至る段階には特定危険部位に症状が顕著に現れ感染性が強く確認されるのですが、その前段階ではリンパ系の臓器唾液腺や脾臓での感染性がより強く、その段階その臓器では異常プリオンは少ないかもしくは認められない、ということが特定危険部位という考え方プリオン説そのものに反し確認され認められているということです。つまり症状を発するのは脳に異常プリオンタンパク質が溜まるということが起き始めてからですから、それ以前発症前の段階においてリンパ系の臓器の方がむしろ感染力を強く有している。こういう可能性は考えられないのでしょうか?私は科学者ではありません、余計な心配なのかもしれません、しかし素直に読んで既存の情報と合わせて考えるとそのような心象は当然得られるものと思います。

色々な対策の場面でBSEの発症とされているのは歩行困難などの症状を示す脳に障害の起きている最終段階のことでその前段階は含まれていません。月齢20歳以下ではBSEは発症しないという研究がありその考え方に基づいてアメリカは全頭検査を無意味として日本政府を説得してしまいました、そもそもこの論理自体が飛躍しています。伝染病の正体がつかめていない現段階で全頭検査は有効な手段です。さらに既に感染して発症していない牛も対象として捉えこれを実施するというのが当たり前の姿勢ではないでしょうか?それができないとか難しいということはあっても、全頭検査そのものが非科学的とするのはいったいどのような考え方なのでしょうか?実際双方の行政の間でそのようなやり取りがされたわけです。理解に苦しみます。

今回の輸入再開で特定危険部位を除いた肉の輸入が認められました。
それは感染している牛でも発症以前は完全に安全であるという考え方に基づいているわけですがそれは確実なのでしょうか?感染して発症する以前の牛のリンパ系臓器及び組織それが混入している食肉にもし感染の危険性があるとしたら今回の基準では甘過ぎるわけです。
発症以前のそれらの部位に感染性があるという研究はマウスのものです。牛には該当しないのかもしれません。
慎重に安全を確かめる姿勢がない以上、このような危険性も考慮されないのでしょう。
これほど未知な部分の多い研究途上である伝染病もプリオンという名を与えられ一気に理解が深まったかのようですが、もしその考え方の根本的な部分に間違いがあったとしたらどうでしょう、実際様々な部分でその可能性が見つけられているそうです。あまりにも時期尚早な認知で政府の対応もこのプリオン説を基に進められています。あくまで危険な可能性が捨てきれないのではないかという話ですがもうすでに私達は実際に選択する場面に立ってしまっています。

食べ物を提供する者としての責任を果たすなら、それがもし宝くじに当たるような確立であったとしても感染の可能性があるものは使うべきではないでしょう。
安全が確認できないものは現段階危険なものです。私は自分の倫理観に沿ってそういった危険な可能性のある食品の仕入れ購入を止める決断をしました。
しかしそれは実際にはかなり難しいことです、吉野家の牛丼を食べないことはとても簡単なことですが、日本では加工食品や外食産業において原材料の産地表示義務はありません。安ければ使うでしょう、企業というシステムに良心は期待できません。
危険なものでも法的に使用可能でそれを使うことによってより利益が上がる、そういう選択がされているのは日常よく見掛けることです。腐らない弁当があればカビない食パン、有機溶剤の注入された肉、市場に出てしまえば色々な場面で使われていくのは確実です。
責任を果たすなら可能性のある全てを排除しなければいけない局面に立たされているわけです。
残念ながらこの国の無責任な方策がこういう状況を生んでしまったわけです。
腹立たしい限りです、今まで使えていた食材が使えなくなってしまう。

過去できるだけBSEに関する情報には目を通してきたつもりですが最近読んだ「プリオン説は本当か」という本には今まで触れる事のなかった情報が多く含まれていました。
実際に現場で研究をしている人の視点で語られていて、リアリティを感じます。当然筆者の主張がありその部分は主観的に表現されていますがそれに至るまでの部分はただ淡々と憶測なく表現されていて読む側の想像を刺激します。

アメリカという資本主義、経済原則を基本とした社会において主要な食品の産業である畜産は大変なボリュームで国の根幹をなしています。それは私達の想像を超えるものでその絶対的な量、そのコストの低さ、従事する人の多さは動かしがたい重さを持っています。おそらくアメリカでは未だにBSEに対し実質的、効果的に取り組むことができていないのでしょう。
BSEの性質(潜伏期間の長さ、感染率の低さ、未知の病気であること)があるが故
アメリカ政府はその強引さでもって安全であると主張し内外にそれを強要しています。中国も輸入再開することを表明しましたし、9月中にはおそらく韓国もアメリカの圧力に屈して輸入再開を決めることになるでしょう。アメリカの産業のために他国の一般市民が犠牲になるかもしれない現実が目の前で進行中です。
BSE、変異型クロイツフェルトヤコブ病の恐さは一端発病してしまえば確実に死にいたるということです。感染率が非常に低い上、実証したり、感染源を特定することが困難ということで危険を無視してしまおうというやり方、憤りを感じます。
科学者でない私が言うのはおかしいかもしれませんが読んだものを総合して考えると、おそらく弧発性ヤコブ病は遺伝的に発症するのではなく遺伝的に感染しやすい人が病原体に触れ感染発症するものなのではないでしょうか?
過去あったそのような弧発性ヤコブ病とされた方も病原体をもらうことがなければ死なずに済んだのかもしれません
どのような遺伝を自分が持っているか大抵の人には分からないわけです。
変異型ヤコブ病にしても実際にBSEが蔓延したとして発病するのはおそらくはごく僅かな人達です。どこでそれが分けられるのか?食べた量によるものか、他の要素が影響するのか未だ研究の途上です。ある程度統計的なデータがまとめられても新しい事実が次々と紹介されるので判断に難しいところです。
それはどのような人たちにとって特に危険なのか?自分かもしれない、身近な人に起こるかもしれない、食べなければそれを防ぐことができるかもしれないわけです。しかし政府は外交的な事情でその脅威を日本の人達に一歩近づけてしまいました。
報道機関は不思議なほど何も表明しませんが、現在大切な局面と思います。
いい機会ですから危険と思われるものは全て排除して、気持ちを切り替えてやり直す心境でことに望みたいと思います。

BSEに関するお勧めサイト
狂牛病とプリオン/牛海綿状脳症(BSE)
http://www2d.biglobe.nejp/~chem_env/chem8/prion.html
BSE&食と感染症 つぶやきブログ
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2
国立感染症研究所
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_24/k02_24.html
農業情報研究所
http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/index.html

プリオン説はほんとうか?著者: 福岡伸一
分子生物学者の方が書いた本です。こちらに詳しい記述があります。


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