August 23, 2008

ブロードディペッシェ

null
当店のブロードディペッシェ
魚のだしです、魚の身を取ったあとのアラと野菜でだしを取ります。
当店では用途が多く、様々な場面で使われるものなので、あわせ易いように、エルミショネ(乳化タイプ)ではなくグラス(透明)仕様です。
主素材の味を無理なく盛り上げるのが、当店のブロードディペッシェの役目です。
当店ではカルパッチョが人気メニューで、アラが大量に出ます。
それがうまく他の料理に役立っている。
これはじつは私達の仕事に最も大切なことだと思います。
ある料理に使えない部位を、他の料理に生かす。もちろん他の料理でなくてもいいのですが、使いにくい部分を無駄にしないということです。
私はレストランというのは村単位であるべきだと思っています。
ごめんなさいさっぱり分かりませんよねw
競走ありきで生産効率を高めるために、価値の低いものを捨てているのが今の大きな社会だとすると、個々になるべく無駄を排除して、日々の生活を成り立たせるような、小さな社会に拠点を置くほうが良いと思います。
私達の仕事でも随分誘惑があります。
加工済みの食材を使えば楽です。随分品質のしっかりしたものも出回っていて、問題もなさそうです。
しかしそれを使うとアラも出ません。無駄もなくていいねって?
いえいえアラはいいだしが出る大切な食材なんです。それに大量に加工された食材を使っていては個性も出し辛い。
私達の仕事は個性が大事です、というか個性を表現するのが仕事で、そこ無くして仕事は成り立ちません。
澄んだブロードディペッシェを使うのは私達の個性です。
それを使わなければできない料理を食べるために、皆さんわざわざうちに足を運んでくださるわけです。
そういうことは色々な場面状況で起きます。
例えば私達は営業する限り、毎日かなりの生ゴミを出します。
それはじつはとても良い堆肥になります。
美味しい食材を作ることができる、とても良い堆肥、それが利用できる仕組み環境が作られれば、それを生かすことができる。
「無駄を無くすということは、質を高めることである」職業を通してこんなことを学ぶことができました。



00:23:56 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

July 17, 2008

小値賀産いさきのカルパッチョ

null
私達じつは鮮度マニア・・・です?
とにかく新鮮な状態で提供することが、生きがいと言うか、癖になってしまい、他の人達が絶対にしないようなことを平気で、淡々、粛々と行います。
まず素材選び、大抵は、同じ魚、同じ値段(重さあたりの値段)だったらなるべく大きいものを選びますよね、この業種の人は。
ロスが少ない、効率が良いし、大きい方が上等とされています、一度の手間でより多くの素材が確保できる。ダメです。私達はとにかく小さいのを注文します。
理由は、その方が鮮度がいいまま売り切れるからです。
小さい方が味も良いような気がするし、大味と言いますが、平目なんかでもでかい奴はすごい値段がしますが、それは旨いんだろうか?バンも大きくて上等そうではありますが、小ぶりのチャキチャキの方がうまいと思うけどなぁ、まぁそれは好みもありますから。
さてそのわざわざ選んできた小ぶりの魚が、入荷する前にしておくことがあります?さてこれが問題です、じゃなくて、まな板(プラ製ですが)を冷凍しておくんです、最近は若手に任せていますが、おろしている間、少しでも鮮度が落ちないように、まな板を徹底的に冷やしておくわけです。
寒い時期だと凍ってしまいますから注意が必要ですがw
カルパッチョ用にサクにしたらそれを真空パックします。酸素さえ遮断。
それを文字通り氷温、冷蔵庫に用意した氷の中に沈めます。
あとはなるべく早く食べていただくだけです。
どうですか?これだけすれば新鮮なわけですよね。
多分この状態を保つと2週間くらいは美味しく食べられるはずです。
もちろん小ぶりですから数日ではけてしまいますが、一度1週経ったものを試しに食べたことがあります、美味かったですよ、旨みはそのまま、若干柔らかくなった感じはしましたが、普通に飲食店さんで提供される刺身より、よほど鮮度は高い、それだけのことをしてますからねぇ
旬の長崎県小値賀、梅雨いさきと呼ばれる極上のいさき、軽く塩で絞めてEXバージンで和えた野菜を添えます。
美味いですよ〜スプマンテかドライな白でいただくのが最高です。
あぁ〜いいですね〜夏の味覚、私も食べたい誰か作ってください〜




22:39:25 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

August 09, 2007

ヒラスズキ入荷しました。

このヒラスズキ、鱸と名前にありますが別物です。鱸が湾内や河口に多いのに対してヒラスズキは荒磯に多く、淡水域、汽水域にはいません。その身も鱸独特の川魚臭さはなく、鯛やいさきのような磯の魚の味わいです。僅かに赤みのある白身で血合いも少ない。食感が良く、旨みが強い、生食に適した素材です。昔は高級魚の部類に入りましたが近年水揚げも増えて値段も手頃になりつつあります。
当店も魚介類の扱いが増えてきました。生鮮品は時間との戦いです。おいしいうちになるべく全て食べていただく。お店も賑わっていないと滞り残して最後は捨てる羽目になってしまいます。
カルパッチョで使う魚には特に徹底して鮮度管理を行います。入荷は氷に覆われた状態でしてもらい、下ろしたらすぐに真空パックにします。通常私達程度の規模の店にはまずこの真空包装器はありません。高価な機械ですし、真空調理のロジック、機械の仕組みを理解していないとこれを使いこなすことができません。この真空状態がポイントです。もちろん酸素に触れないことで、酸化の防止や酸素を必要とする菌類の繁殖の抑制ということもありますが、同時に温度管理にも力を発揮します。温度の伝達を阻害する最大の要因は空気そのものです。希薄なものであるだけにまた温度の伝達もし難い、発泡スチロールや保温材の多くはこの性質を利用したものです。その素材の温度を確実に管理しようとしたらまずこの空気を排除することが大切です、そのことでより確実に素材に適切な温度を与えることができます。生の魚のような鮮度が落ち易いものの適切な温度は氷温でしょう、凍ると食感は変わってしまいます。私達の使う冷蔵庫には常に氷がストックされていてその中にカルパッチョの魚が埋められています。現在性能のいいチルド(氷温)冷蔵庫が普及して大変助かっていますが、しかし冷蔵庫にも性能に限界があってやはり開けると温度は一時的には上がってしまいます。デリケートな素材にはそれさえも与えたくない、やはり完全な氷温を維持するのは氷です。カルパッチョにする魚は真空パックという新しい表皮を与えられて氷の中に埋められています。
カルパッチョのオーダーが入ってまず最初にすることは氷の入った袋をまな板の上に置くことです。しばらくの間切り始めることはしません。充分に冷やしたまな板に魚を置いて切り分けます。だいたい3日のサイクルで新たな仕入れをしますが、最高に古い3日目でもおそらく利き分けは無理でしょう、ほぼ完全な無酸素、氷温の状態です。そのままの透明感と食感で提供しています。好評を頂いています。


23:39:01 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

July 28, 2007

コチのカルパッチョ

夏も盛りで暑くなってくると魚料理もとりわけカルパッチョのような刺身のひんやりとしたものが人気です。今年はカルパッチョに力を入れています。長崎小値賀産のイサキに始まって宮古の平目、鹿児島のヒラスズキ、今は鹿児島串木野のコチを使っています。コチというとあまりなじみがありませんがこれが抜群にうまいです。形はヤガラやホウボウを細長くした感じで、身は平目のようにチャキチャキとハリがあって食感がいいものです、そう言えばよくよく見直すと雰囲気は正面を向いた平目という体で、その薄さは他の魚にはあまり見ない特徴です。
コチは通の釣り人には二匹目を期待させる魚だそうです。釣り上げようとすると水面近くまで同じコチがついてくるそうで、それが釣り方によっては針にかかるそうな。これはコチが夫婦でいるものだからだそうです。片割れが釣られるのを追いかけてきているんですね、何とも可哀そうな話。
さてコチのカルパッチョのアレンジはエキストラバージンとたっぷりの夏野菜を合わせて、さぁ召し上がれ  Buon Appetito !!



23:19:52 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

February 24, 2007

あさりの話

ボンゴレスパゲティはとても人気のあるメニューです。イタリアの地方ごとにある伝統料理の中でも、海に面した土地なら必ずある、ブイヤベースのような魚介をたっぷり使った料理には大抵このあさりが使われています。その出汁の美味さが格別だからでしょう。ラフレッチャでも前回のお勧めメニューで提供していた“カサゴとあさりのカチュッコ”はたいへん評判をいただきました。しかし私達が最も良く口にするアサリの料理と言えばボンゴレスパゲティではないでしょうか?「あ〜うまい」そんな料理ですよね。ただこのあさり曲者で、砂のなかで成長する生きものだけに、時には砂を殻の中に持ってしまっていることがあります。当然そうならないように砂抜き(なるべく重ならないように海水程度の塩水に入れ冷暗所に静置します)するのですが完全ではありません。どんなに丁寧に砂抜きしても100個に1個くらいは砂が取りきれていないものです。もちろんそういうあさりも私達は見逃しません。調理人の適正に“目がいいこと”があると思います。別にそれは遠くが見えるという話ではなく、近視でも(私がそうですが)顔を近づければ済む事、異物に注意を払って見逃さないことが大切です。料理を盛り付ける皿がたいてい白いのはそういった衛生上のことが習慣的に無意識に反映されてのことなのでしょう。
それだけ注意していてもさらに10に1つくらいは見えない部分に砂があって結局1000回作れば1皿は砂が入ってしまう。あれ嫌ですよね「じゃりっ」あれが嫌であさりを食べない方もけっこういると思います。もう一つ同じような嫌な食感を生むものが実はあって、蝶つがいなんですが、これもです、たいてい噛んだ方は砂だと思ってその存在を知りませんが、これはお客様の手元に行った後でも落ちる可能性があるんです。実を取ろうと殻を押さえる時に落ちるんでしょうが、これは正直防ぎようがありません。長年私にはこれが葛藤でしたが、最近とうとうこの葛藤にケリを着けることができました。伝統のやり方からは少し逸れますが、先に加熱下ごしらえして、実だけを外す、ここまで来てしまいました。外す際徹底して異物が入らないように確認します。怪しい奴は味見も兼ねて私の口の中へ、そうやって良く観察していると、おいしいあさりと少し味の落ちるのが、見分けられるようになります。確実においしいものだけを使います。だからラフレッチャのあさり料理には殻が入っていません、調理済みの物を買ってきて使っているわけではありませんからご安心ください。見た目のボリュームが劣るのであさりの量も少し多めに、手間が掛かる上に材料費も上がってしまう、しかし間違いなくおいしい、胸を張って提供できるということは良いことです。こういう一つ一つの決断がお店を作っていきます。
あさりの砂が嫌だから食べないという方がもしいらしたらラフレッチャにお出でになってください、安心して「ボンゴレ」をご注文ください!


02:05:06 | lafreccia | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks