August 09, 2007

ヒラスズキ入荷しました。

このヒラスズキ、鱸と名前にありますが別物です。鱸が湾内や河口に多いのに対してヒラスズキは荒磯に多く、淡水域、汽水域にはいません。その身も鱸独特の川魚臭さはなく、鯛やいさきのような磯の魚の味わいです。僅かに赤みのある白身で血合いも少ない。食感が良く、旨みが強い、生食に適した素材です。昔は高級魚の部類に入りましたが近年水揚げも増えて値段も手頃になりつつあります。
当店も魚介類の扱いが増えてきました。生鮮品は時間との戦いです。おいしいうちになるべく全て食べていただく。お店も賑わっていないと滞り残して最後は捨てる羽目になってしまいます。
カルパッチョで使う魚には特に徹底して鮮度管理を行います。入荷は氷に覆われた状態でしてもらい、下ろしたらすぐに真空パックにします。通常私達程度の規模の店にはまずこの真空包装器はありません。高価な機械ですし、真空調理のロジック、機械の仕組みを理解していないとこれを使いこなすことができません。この真空状態がポイントです。もちろん酸素に触れないことで、酸化の防止や酸素を必要とする菌類の繁殖の抑制ということもありますが、同時に温度管理にも力を発揮します。温度の伝達を阻害する最大の要因は空気そのものです。希薄なものであるだけにまた温度の伝達もし難い、発泡スチロールや保温材の多くはこの性質を利用したものです。その素材の温度を確実に管理しようとしたらまずこの空気を排除することが大切です、そのことでより確実に素材に適切な温度を与えることができます。生の魚のような鮮度が落ち易いものの適切な温度は氷温でしょう、凍ると食感は変わってしまいます。私達の使う冷蔵庫には常に氷がストックされていてその中にカルパッチョの魚が埋められています。現在性能のいいチルド(氷温)冷蔵庫が普及して大変助かっていますが、しかし冷蔵庫にも性能に限界があってやはり開けると温度は一時的には上がってしまいます。デリケートな素材にはそれさえも与えたくない、やはり完全な氷温を維持するのは氷です。カルパッチョにする魚は真空パックという新しい表皮を与えられて氷の中に埋められています。
カルパッチョのオーダーが入ってまず最初にすることは氷の入った袋をまな板の上に置くことです。しばらくの間切り始めることはしません。充分に冷やしたまな板に魚を置いて切り分けます。だいたい3日のサイクルで新たな仕入れをしますが、最高に古い3日目でもおそらく利き分けは無理でしょう、ほぼ完全な無酸素、氷温の状態です。そのままの透明感と食感で提供しています。好評を頂いています。


Posted by lafreccia at 23:39:01 | from category: 料理素材 魚 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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