September 18, 2007

soup!!


得意料理は何?と問われた時に私の答えは一に煮込み料理、二にスープと答えます。この2つの料理をおいしく作るための素養に天才という二文字はありません。特別な才能は必要ないということです。道理に基づいた工夫や日々の地道な努力が全てを左右します。好きで努力していれば必ずものになる。

さあ秋です、暑い季節が終わって汁物を楽しめる。
スープは私の得意料理です。工夫や努力が確実に反映される料理。
得意ということは好きで興味があって経験も積んでいる“ということです。
私達のシェフという職業の特徴は志向性にあると思います。こうしたいと、常に完成を目指していても、それは決して完結しない。そこに安逸な到着点はありません。
何十年も一つのことに思い巡らせ、求め続けていれば、それなりのものはできるわけです。
スープや様々な煮込み料理のベースとなるブロード(フレンチでブイヨンにあたるものです)はレストランにとって生命線といって過言ではない大切なものです。
料理を山に喩えるとメインの食材は頂、添える食材は連なる頂、でブロードはと言うとそれはなだらかな稜線、召し上がるお客様のことを山を眺め楽しむ傍観者とすると、頂が妙に突出した山はどうでしょう?不自然で気持ち良くはない。全体をなだらかに繋ぐ稜線があってこそ山は美しいのではないでしょうか?

まだまだ日本においてはただイタリア料理というと一元的に捉えられていて決まった法則があるかのように思われ勝ちですがそれは大きな誤解です。イタリアはごく近年に統合された地方の集まりと言うのが相応しい、多くの文化が散在する連邦国家です。
日本での現状では、イタリアの複数の州にまたがって料理を提供することが求められるのは仕方ないことと思います。私達のジレンマは料理の基本的な部分にあります。おそらくイタリアの国際的な観光地でも同じような事情があると察しますが、複数の体系を一つのオペレーションに集約しようとすれば調理の現場を成り立たせる基本的な部分は自分達で作り出さざるを得ないわけです。

ブロードに関する私の認識はこうです。
様々な要素をなだらかにつなぎ合わせて、しっかりと下から支える、料理を際立たせる名脇役、決して彼に名声が集まることはないが、制作においての主役

当店のブロードの材料を公開してしまいましょう、鳥類や仔牛等淡白で白い肉質の筋や骨、ガラと同量の根菜を主とする香味野菜と水、etc、水以外の材料を合わせた重さと出来上がるブロードの重さは常に同量です。へヘン、、ごめんなさい自慢です。
十分な材料を使うから当たり前の格を与えることができます。
顆粒のコンソメなどを使えば同じ程度の旨みを料理に与えるのに10分の1以下のコストで済むでしょう、しかしそれをしないのはそれが美味くないからです。
私達の仕事はおいしいものをお客さんに提供することです。その質が肝心なわけです。量、旨み、満足の量だけ求めるとそこは見えてこないでしょうが。
さて手法は?ごめんなさいここは大切なノウハウです。ヒントだけ言うとレストランの現場は日々研鑽の修羅場、無駄なことはできません。現実的な方法でそれを澄ませる努力をします。できるだけ早く冷やして、できるだけ早く使い切ること、あぁ言ってしまいました。



Posted by lafreccia at 01:10:25 | from category: 料理 スープ | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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