October 13, 2007

クラテッロ ジベッロ

美味い!です


クラテッロ ディ ジベッロ
パルマの北東40キロ、エミリアロマーニャの山間にジベッロ村はあります。
あまりに複雑かつ水準の高い技量を必要とする行程、当然それに値する代償が求められる、つまり値段が高いということですが、そのようなことで一時クラテッロの生産は風前の灯火に、スローフード運動のプレシディオに認定されたということもあるでしょうが、やはりその真価が認められてきたことが復活の原動力であったのだと思われます。

冬の数ヶ月の間にしかその生産は許されません。
豚の尻の肉を極限まで削り最高の部分だけを使用します。調味、塩漬け、乾燥の行程を経て、膀胱で包み紐をかけます。この紐をかけることだけに従事する専門の職人さんがいます。クラテッロの生産がどれほど難しい職人的な作業を要するのかこのことでもわかります。
成型の終わったクラテッロは熟成にまわされます。これもクラテッロの特長ですが地下室のような湿度の高い場所に限定されて熟成が行われます。もったいないと言ってしまいます、なんと床に赤ワインが撒かれて18ヶ月から24ヶ月長いもので36ヶ月の長きに渡り熟成が行われるそうです。プロシュートは長くて18ヶ月ですからいかにクラテッロが大量生産に向かないものであるかがわかります。
生産が10月から3月に限定されるのと同時に、地域もこの地に限定されなければいけません。ポー河の流れが乾燥した気候に適度な湿度を与える、絶妙のバランスが保たれて始めてあの風味が醸し出されます。

私が初めて口にしたのは数年前のことです。サンプル品をいただいてその形容し難いおいしさに扱うことを決めたものの、いざ現物が届いてみると「恐い!」グロテスクでした、下手な予備知識が想像を膨らませます。膀胱?地下室!24ヶ月の熟成、パッケージを開けるとすごい匂いがしそうです。もちろんそんなことはありませんが、その塊はあまりに奇怪であのスライスの美しさは想像できません。
固まりのグロテスクさとは対照的に風味、味は素直と言っていいでしょう、誰が食べても等しくおいしいもので、しかし風味は全く固有のもので確かに主張しています。よく吟醸香とか雲丹とか比喩されますが、その本当のところは味わうしか方法がありません。

今までも扱いたいと思っていましたがやはり高級な食材です。お店はお客様の支持があって初めて成り立つものです。まだ充分に成り立っていない段階で安易に高級、貴重な食材は扱うべきではないと見送ってきましたが、機は熟したようです。

クラテッロ ディ ジベッロいい響きです。明日までワインに漬けて戻しています。明後日辺りから提供できると思います。ご期待を!



Posted by lafreccia at 23:08:53 | from category: 料理素材 肉 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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