January 03, 2007

業界一番のインテリジェンス

ラ・フレッチャ開店以来様々な出版関係の方に取材に来ていただきましたが、今回とても嬉しいことに、私が最も信頼する“言い過ぎではないと思います” 飲食業関係で一番のインテリジェンス、柴田書店さんが取材に来てくださいました。料理の世界には確かな研究機関のようなものはありません。技術を伝えたり、記録したり、評価したりという業界に必要なことの一部を肩代わりし担っているのが、出版社であると言うことができます。なかでも柴田書店さんは出版されている本の質も高く、食の世界に貢献しようという姿勢が色濃く感じられる出版社です。私達料理人にとっては欠かせない重要な存在です。
予め取材内容の大筋は頂いていたので、口下手な私は文章でお話したい骨子を用意していたのですがいけません、考えてそれはボツに、おそらく取材というのは実際に話し合って記者の方が感じた切り口を表現すべく書かれるものなのだと思います、用意された文章で済むなら、記者の方の力量はそれほど要求されない、レベルの高い記事を書かれる方達ならなおさらで、余計なことはしてはいけないでしょう。あとは野となれ山となれ、2時間お話しして書かれた記事は1月19日出版の月刊専門料理に掲載してもらいますのでご覧ください。お店の紹介をして頂いています、ここ3〜4年で開店したオーナーシェフの店を取上げた特集で、1ページの半分ほどの紙面で記事にしてもらえるようです。

様々に質問して頂いた中で一つ、私は、自分が実際に行って食事したことがある中で最も支持できるレストランはどこかという当たり前、予想できる質問に大変恥ずかしいことに散々考えた挙句答えることができませんでした。私は考えすぎる癖があります。その質問を自分の価値をさらけ出してしまうことのように感じて、詰まってしまったわけです。

私にとって最も重要な尺度は何かと問われれば、その答えは間違いなくコストパフォーマンスです。どんなにおいしいレストランでも払う対価に見合う価値がなければ、それは×なわけです。柴田書店さん「イタリアのレストラン」に登場するようなレストラン、まだ行ったことはありませんがフランスミシュランの三ツ星のレストランにはきっとそれがあるのでしょう、比較的高額な料金をとる日本のレストランでその対価に値する感動を受けたことは残念なことにまだありません、ギャフンと言わせて欲しいと本当に思います。良い素材を使いそれを活かす、大切なことですがこれは基本です。高い料金を取る店がこの程度のことしかしていないとすると、その店に存在価値はあるのでしょうか?伝統技術、感性、あらゆるものを駆使してそれを1段高いレベルに引き上げることが本来の役目と思います。
支持できるレストラン、そう聞いて私は本当に憧れていて実際に伺ったものの、商業的で形骸としか感じられない残念な経験、過去ブログにも書きました。
そのような表明は公に受け入れてもらえないだろうと考えてしまいました。

素直に私が好きなお店をいくつか上げておきます、
中野 イル・プリーモさん 南阿佐ヶ谷トラットリア M,sさん
西新宿 アウラクッチーナさん 池尻大橋 ピッツェリア パーレンテッシさん 大塚 ビストロ ジュイエー(ここはフレンチです)
ナポリのピッツェリア ブランディ フィレンツェ トラットリア マリオ オステリア デ ベンチ
ローマのはずれ、サヴォイアアオスタ橋を渡ってすぐの店名は忘れてしまいました、フラスカィといただいたイワシのマリネが美味かったこととても忘れられません。とても庶民的な店ばかりです、地元の方で賑わっていて接客はとてもフレンドリー、そんな店で頂く料理がとてもおいしいのでそれが私には確固とした基準です。同じ程度の料理により高い値段が付けられているのは残念です。そこに私は商業的な雰囲気を感じてしまうのですがどうなのでしょう?どの程度の値段を付ければ利益が出るか下手にわかっているだけに楽しめないのかもしれません。

充分に良い食材を使っていておいしいこと、そして適正な値段、ワインは適正な価格でかつ選択肢がある程度用意されていること、接客に関して私はあまり気にしません、現実的に言い換えると、私達に対して実際に悪い接客をするホール担当者にはあまり出会わないということです、それは私達がいかにも楽しみ、話に興じ礼儀正しいからです。混み合っている時料理はなかなか出てこないものです、そんな時は会話を楽しみ普段より少しワインが進むぐらいのことで、問題にはしません。当たり前のことです。良いお店は混んでいて、混めば待たされる、私達は美味いものが食べたくて店にいるわけです。粗探しして怒っていればその時間が台無しになるだけです。

料理を作っている時が正にそうなのですが、動の中に良い形が生まれていく、止まって眺めながら形を作るのではなく、動きをそのまま皿に盛り込むような盛り付け、もちろん止まって吟味することも必要ですが、日常の仕事は動ですからそれを活かすやり方が良いわけです。店全体に関わることにもそれが言えるわけです。例えば慢性的に店の床にワインの箱が積み上げられているのは良くないと思います。しかし入荷するシーズンに片付け切れないワインの箱が積み上げられていたりするのはある意味風物詩でそれは良いと思います。そんな様々なことで店の味ができていきます。それも楽しめることですよね、
続く・・・


Posted by lafreccia at 23:22:38 | from category: 出版社 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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