January 17, 2007

トリック

「クッキングセミナー」の続きです。
試食もさせてもらいました、8品ほど出していただきましたが、正直な話まずくはありませんでした、でも特別においしくもない。その程度の力しかない方がスーシェフでミシュランの2つ星を維持できるわけがありません。場所が違えば食材も環境も違う、お店ですることとは違うことをされたということなのでしょう。しかし残念ですが、私には食べたもので判断するしかありません。正直な感想を述べると、全体的には食材をそのまま食べているという印象です、日本でもたまに出会う“トリック”、調度よく加減する努力を放棄してしまうわけです。非常に楽です。食べる人の感じ方を気に掛けるわけでなく、食材の性質を精査したり、ニュアンスを食べる方に伝えること、そのようなことを置き去りにした加減、その濃さに意味はないわけです。そのトリックのキーワードは「ヘルシー」「上品」塩加減は確かに味付けの一つの要素ではありますが、唯一他の要素を伝えるためにも加減しなければいけない基本的な素材です。
スープなどの調理をしているとよくわかります。塩が感じられるほど入れてしまえばもうそれはすでに入れ過ぎですが、それ以前に少しずつ足していくと、他の要素、旨み、風味がやはり少しずつ感じられるようになるのがわかります。
具体的には、肉を焼くとしましょう、その旨みを引き出すには最低0.5%程度の塩分が必要になります。それだけでおいしく食べるには0.7%、強調する意図で0.9%にすることはあるでしょう、ちなみにソーセージなどは2%もの塩を作る際加えます。
旨みが強い素材にはそれだけ加減できる塩分に幅があります。
たいていの現場の調理人さんはそんなことはわかっています。0.5から0.7%多くても0.9%程度の中で様々な要素を精査しつつ食材に塩分を与えます。今回試食した料理は0.4%前後、単純に0.1〜0.2%の塩分を足すだけでも、その食材のおいしさがより豊かに現れるはずです。
2つ星を標榜する料理人さんに「おいしいでしょう」と言われ出された料理はなかなかまずいとは言えない、はっきりまずいものではありませんから、こんなものかなぁと思いつつ異議は表明しない。童話「裸の王様」のトリック。
普通新しい料理の体系に出会って、それを自分の場所に取り入れようとするなら、その料理をまず食べたり、自分で再現する努力をするべきと思います。
タタキという料理を作ろう、それを店で提供しようと思ったら、まずその料理の体系を学んで理解することが最低限必要なことと思います。それをせず形だけ取り入れその場しのぎにものを作ろうとするから、テフロン加工のフライパンを強火で空焼きするなどということになってしまうのでしょう。これは愚かなことです。
日本人なら大抵の人、料理人でなくてもタタキが直火で炙り焼きしておいしいものと知っています。日本の文化を理解しようとしない人にSUSHIと標榜してほしくない、そう思いました。


Posted by lafreccia at 22:58:26 | from category: 調理 | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
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